今回は40代女性、Sさんのお話しです。SさんはWeb制作関係のお仕事をされているのですが。全身ダルさ(倦怠感)で仕事がはかどらない。時には仕事をする気にすらなれない。ということでお悩みでした。こんな事ではいけないと、自分を奮い立たせようと焦れば焦る程空回りしていたそうです。そんなSさんがどうやって全身倦怠感を克服して、仕事がこなせるようになったのかを見ていきましょう。
全身倦怠感・ダルさの原因は肉体疲労じゃなくて脳疲労!!
Sさんの話を伺った時に私が思ったことは。
Sさんの場合、肉体疲労ではないな!これは「脳疲労」だなと思いました。
なぜかというと。
体が疲れるのは忙しく動き回ったときですが。
Sさんの場合、座ってお仕事しているので動き回ることはありません。
ですから肉体疲労ではなくて脳疲労になります。
その脳疲労ですが、脳はいろんな理由で疲労します。
1つづつ見ていきましょう。
脳疲労をおこす原因
原因その① 脳は何もしなくても、勝手に疲れていく
よく言われることですが。
脳は体重の2%ほどの大きさしかないにもかかわらず、身体が消費する全エネルギーの20%を使う大食漢と言われています。
2%だと私の場合ですが。体重が70㎏くらいあるので、1.4㎏です。
たった1.4㎏が身体全体のエネルギーの20%を使うのだから、物凄い消費量ですよね。
さらに、この脳の消費エネルギーの大半は、デフォルト・モード・ネットワークという脳回路に使われます。
どれくらいこの回路に使わるかというと、脳の消費エネルギーの60~80%使われてしまいます。
要するに、何もしなくても脳は勝手に疲れていくのです。
(デフォルト・モード・ネットワークという言葉は覚えなくていいの、ここでは解説しませんね)
ですから、一日ぼーっとしていてもなぜだか疲れたという人の話しは、よく聞きますよね。
ではどうすればいいかと言うと。
このデフォルト・モード・ネットワークを抑える脳構造を作っていけば良いことになります。
つまり脳をしっかり休ませればいい訳ですが、その方法は後ほど。
原因その② 過去に起こした失敗や嫌な出来事を何度も思い出す
Sさんの場合、過去に起こった嫌なことを何度も思い出し。
それをそのままクヨクヨと考えてしまって、今の仕事に集中できないという状態でした。
先日も、言葉の行き違いでクライアントの方に激しく叱責されたことを。
問題が解決した今現在も、クヨクヨと考えていたそうです。
気持ちは分からなくはないですが、これでは仕事がはかどる訳はないですよね。
この改善方法も後ほど。
原因その③ まだ起こっていない未来のことを考えて不安になる
Sさんはこれも頻繁にやっていました。
最近ですと、このコロナ禍で。家族がなったらどうしよう。自分がなったらどうしよう。
これを考え出すと、仕事が手に付かないという訳です。
これでは仕事をする気になれないですよね。
これも改善方法は後ほど。
全身倦怠感(体のダルさ)改善方法
原因その① の改善方法 ※参考文献:世界のエリートがやっている最高の休息法
先程も言いましたが。脳は、ただぼーっとしているだけでもエネルギーが使われてしまいます。
ですから今から紹介する「マインドフルネス呼吸法」という方法で、完全に脳を休めて。
エネルギー漏れを防いでもらいたいと思います。
マインドフルネス呼吸法の4つのポイント
1)基本姿勢をとる
・イスに座り、奥深く座るが背もたれには寄り掛からない(背もたれにペットボトルを挟んでもよいです)
・お腹はゆったりさせる・手は太ももの上
・目は閉じるか・2mくらい先を見る
2)体の感覚に意識を向ける
・足の裏と床・お尻とイス・手と太もも
・体が地球に引っ張られる重力の感覚
3)呼吸に注意を向ける
・深呼吸や呼吸のコントロールは不要で、普通に呼吸して良い
・吐いて、吸って1・吐いて、吸って2・・・10というようにラベリングするのも効果的
4)もし雑念が浮かんだら
・雑念が浮かんだらその事実に気付き、注意を呼吸に戻す
・雑念は生じて当然なので、自分を責めない
※呼吸は口から吐いて鼻から吸うのがおススメですが、自由にやっても結構です。
※4)がポイントです。
※1日5分でもいいので毎日続けて習慣にするともの凄くいいです。
※同じ時間、同じ場所でやるのもいいですが、脳の疲れを感じたり、ポーっとする時間があればやってもらっていいです。
原因②と③の解決方法
感情BOXを使う。
過去の嫌な記憶を思い出すというのは。
一度しか経験していない嫌なことを、何度も経験しているようなもの。
この感情を持ち続けると、自分のエネルギーが枯渇します。
頭に嫌な感情が思い浮かんだら、この感情をキャンセルして、「今」に戻って来てください。
イメージとしては。右でも左でもいいですが。
自分の肩の上に、そのボックスを置いて。そこにその嫌な感情を放り込む感じです。
その時心の中で「この〇〇な気持ちをキャンセルします」と呟いてください。
そして、今、目の前の仕事に再び全集中してください。
不安な未来を想像した時も同じです。「この不安な気持ちをキャンセルします」と呟いてください。
そして、今に戻り、目の前の仕事に全集中です。
こうして、今までエネルギーがダダ漏れだったのを防ぐだけで。
疲れを感じにくくなります。
全集中で仕事をするには!
集中力が高く、仕事をバリバリやる人は。エネルギーを漏らさないように、瞑想をしたり、マインドフルネス呼吸法をしたり。ということを結構やっています。
そして、瞑想の時の良い姿勢のまま仕事に取り組んでいたりします。
なぜ良い姿勢がいいかというと。
姿勢を良くするだけで脳の疲労が少なくなり、頭の回転が良くなるからです。
私の患者さんで。大学の先生を退職されてから。大学のテストの試験監督のバイトをされていた方がこう言ってました。
「東大生は皆、試験時の姿勢が全員物凄くよい。」
これは東大生全員が、姿勢を良くしていると。疲れないで、集中力が上がり、頭が回転するということを知っているからです。
ですから、良い姿勢で瞑想している時間が勿体ない!とおもっている時こそ。
この時間を惜しむ方が、仕事の効率が落ちて時間の無駄になってしまいます。
一見非効率におもえますが、実は非常に効率がいいのです。
自分にはムリだと思っているあなたへ
そんな事言っても、過去にあった嫌な事とか考えちゃうし。
未来のことを考えると不安になっちゃうよ!という人。
安心して下さい。誰でも考えちゃいます(^^♪。
ただ、考えたところでしょうがない事ですよね。
今、過去の事考えちゃった!と気付いたら、過去のことを考えるのをやめたらいいのです。
まだ起こっていない未来を不安に思うのも同じです。
今に集中すれば前頭葉はそんなに疲れないのです。
完璧を目指さない
完璧にやろうとしないでください。
Sさんも最初どうしても完璧にやらねば!!という思いが強かったようです。
その思いが強すぎて、自分には呼吸法が出来ないのでは!と思ってしまったそうです。
でも、今のままではいけないと思い。これは自分に必要なことなので、頑張って取り組んでみた!とおしゃってました。
Sさんは続ける事3週間で、全身倦怠感もダルさも消えて、今までの2倍以上の仕事が出来るようになっていたそうです。
少し早く出勤して、職場についてからマインドフルネス呼吸法をするというルーティンも出来上がったそうです。
今では職場の人もマインドフルネス呼吸法に加わって、職場の雰囲気までよくなったようです。
嫌な事を思い出した時や、未来を考えて不安になっても。
すぐにそのことに気付き、感情BOXを使って「今」に戻ってくることを繰り返して。
今に集中するようにしたら、疲れは以前の半分以下に感じているそうです。
まとめ
①肉体疲労ではなく、脳疲労だとうことを自覚した。
②姿勢を良くした状態でマインドフルネス呼吸法を使って、脳を完全休養させた。
③感情BOXを使って、嫌な過去を思い出したり、未来を考えて不安になった時、すぐに現在に戻るようにした。
たったこれでけです。
もし、文章では不明な点があって、キチンとできているか不安です!という方のために。動画を用意しましたので、ご覧ください。
もし、一人で改善されない場合は、私たちが力になれると思いますので、一度ご相談ください。