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今回は、50代女性Uさんのお話しです。Uさんはいろいろと運動をされているスポーツウーマンなんですが。その中でも一番好きなフェンシングの時に、脚を踏み出すと膝が痛い!ということでお悩みでした。整形外科での診断でも、膝の変形や軟骨のすり減りは無いという診断を受けていました。いわゆる膝の老化現象は見られないという前提でお話しします。それでは、Uさんがどうやって膝痛を改善したのかを見ていきましょう。

膝痛の原因は股関節と足関節にある  

Uさんは運動時、特にフェンシングの時に、足を踏み出すと痛いということで悩んでいました。

整形外科の検査にて、膝の変形や軟骨のすり減りが無いというのを聞いて私はすぐにピンときました。

早速、股関節の可動域がどれくらい動くかを検査をしてみました。

仰向けに寝て、膝を胸のほうに抱えるように曲げてもらったのですが。90度くらしかまがらないのです。

普通、女性だと男性より柔らかいので、胸に付く人がおおいのですが。Uさんはかなり硬かったです。

そのまま、脚(あし)を外側に(外旋)開く(捻る)とこれも45度くらい。通常女性だともっと開きます。なかには床に付くくらいの人もいます。

続いて足首の柔軟性を検査すると。しゃがむことが出来ません。俗にいう、うんこ座りができないのです(^^♪。これは、足首を(屈曲)曲げることが出来ないということです。

おまけに、正座する事もままなりません。これは、足首を(伸展)伸ばすことが出来ないということです。

膝関節は、真っすぐにしかまがらないですよね。立ってやってみてください。容易には、捻ることはできないはずです。

膝と比べると、股関節と足関節は捻ることが出来ます。真っすぐに曲げることもできますが、横に捻ることも出来るのです。

そうです。

だからこの2つの関節が、充分に捻ることを担当してくれないと。膝にドンドン負担がかかるのです。

だから膝痛の原因の多くは、股関節と足関節にあるのです。

体全体で考えてみても 

さらに体全体で考えてみましょう。

人の体は、上からの重力と、地面からの衝撃を吸収しながら負担を減らしています。

例えば、2ℓの水が6本入っている箱を持っているとします。それを持ち上げると、重力が働いているのがわかりますよね。

その場でジャンプをしてみてください。地面からの衝撃をかんじますよね。

この重力と衝撃を膝だけで受けたらどうでしょうか。スグに膝が痛くなるのが想像できますよね。

これを股関節と足関節も一緒に分散してくれたらどうでよう。大丈夫そうですよね。

Uさんは、これでもピンとこなかったので実際にこうしてもらいました。

真っすぐに肩幅くらいで立ってもらって。膝だけカクンカクンと曲げてもらいました。

「今、Uさんはこうなってますよ」

というと、「なんとなく私はいつもこんな感じです」といって頷てくれました。

この身体の使い方じゃなくて。「股関節を曲げると、お尻が後ろにでますね。それと同時に足首も曲げる意識をもってください」と私が言うとようやく

「あ~~」という感じでご理解頂けました(^^♪。

「これなら膝の負担が減りそうです!!」そういって笑顔をみせてくれました。

しかし、大事なのはここからです。

ここからどのようにUさんが膝の負担を減らすことに成功したのかを見ていきましょう。

こんなストレッチが有効です。 

まずは股関節から。

内転筋群の主に3つの筋肉に柔軟性をつけて。(短内転筋・長内転筋・大内転筋です)

股関節が開きやすいようにしていきました。

まず床に座ってもらって、両脚を開きます(開脚じょうたいです)。

右脚(あし)だけ曲げて、左脚の太ももの内側に右足の裏つけます。

この状態から、左足の親指を床に付けていきます。

さらにここから身体を右に捻ります。この状態で30秒キープします。

勿論反対側も同じようにやって下さい。

今度は足関節です。まずは後脛骨筋から。

この筋肉は、足首を伸ばす作用と、足を外に捻る(回外)動作をします。

まず床に座ります。右膝を曲げて、右足を両手で持ち足首をスネの方に反らせます。そこからさらに、足を小指側に45度くらい傾けます。この状態で30秒キープです。

勿論反対側もやってください。

最後に前脛骨筋です。
この筋肉は、足をスネの方に引き寄せる動きをします。

この筋肉を伸ばすには、立った状態で、ふらつかない様にどこか壁に手をついてもいいかもしれません。

その状態で、右足の親指の甲を床に付けて、足首を伸ばす感じでスネの横の前脛骨筋まで伸ばします。この状態で30秒キープです。

勿論反対側もやってください。

本当の原因を知っている人に聞いてみること 

膝ってストレッチできないのでは?と思っている方も多いと思いますが。

実は、股関節と足関節を捻りやすくすると動きはスムーズになります。

よ~く患者さんにきかれます。「先生膝ってストレッチできないよね?」

だからセルフケアは出来ないと思ってい方が物凄く多いです。

専門家の知識を借りれば、どうってこのとはないので。知っている人に聞く事をお勧めします。

湿布とサポーターからおさらば 

5年に及んだUさんの膝痛。キチンと相談出来ていなかったことがよ~くわかりました。

病院通いをしながら、シップとサポーターが手放せなかったUさんでしたが。ようやく湿布もサポーターもいらなくなったそうです。

病院の先生も忙しいのは良く分かります。

ですが、ソーシャルワーカーさんとかをもっと活用して、患者さんの話をもっと聞けると良いかもしれませんね。

まとめ 

①変形や軟骨のすり減りが無いかキチンと整形外科は受診して検査はすること

②股関節や足関節の柔軟性を確かめること

③内転筋群・後脛骨筋・前脛骨筋のストレッチをして、股関節と足関節の柔軟性をつけること

この3つができれば多くの膝痛も改善するでしょう。

もし、文章では不明な点があって、キチンとできているか不安です!という方のために。動画を用意しましたので、ご覧ください。

もし、一人で改善されない場合は、私たちが力になれると思いますので、一度ご相談ください。

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